2010/04/08

「この世は二人組ではできあがらない」山崎ナオコーラ

「シオちゃんだって、少年マンガの努力友情勝利みたいな小説家にはなりたくないでしょ?」
「いや、私は少年マンガの主人公になりたい」
「ええ?」
「おまえが良いって言ってくれるだけじゃ、私の小説は社会に出ねえんだよ」
「賞のために書いているの?」
「少年マンガのヒーローみたいに、賞が欲しいの」
文学賞とは、社会への切符なのだ。
男に褒められたところでなんになる。作品は社会的にしてなんぼだ。
私は自分の書いた小説を褒められたいわけではなく、社会へ出したかった。


男女間における、対等な会話。それが気持ちいい。
もっと読みたい。

「この世は二人組ではできあがらない」山崎ナオコーラ,新潮社,2010