2010/02/21

恵比寿映像祭




「映像」経験について改めて考えさせられた。
「映像祭」といっても、すべての展示物が必ずしも眼に直接の悦びを与えてくれるわけではない。
「映像」を楽しむ祭典というよりも、どちらかといえば、「映像についてみんなで考えてみましょうね」という趣旨なのだろう。

作品に関する情報は作者、タイトル、制作年などの最低限な情報のみ。
作品を解説するような文章はつけられていない。
また美術館での映像作品はどうししても冒頭からではなく「途中から」観ることになる場合が多いため、内容を理解するまでに時間がかかる。
そのぶん、自らの頭で考えることが必要とされる。
その作品用に自分の頭をチューニングする作業が必要とされる。

《おかえりなさい、うた―Dusty Voices, Sound of Stars》(2010)
(2F、サウンドインスタレーション)

複数の人の朗読や楽器音などで構成された音声に、天井から吊るされたライトが連動してオン/オフするインスタレーション。
映像でイメージを限定しないぶん、想像力のトレーニングを課されているようで、またその手助けをされているようで、心地よい。
プラネタリウムの経験に近いように感じた。

第2回 恵比寿映像祭 「歌をさがして」
2010.2.19[FRI]-2.28[SUN]
東京都写真美術館